アフリカビジネスパートナーズ

2014/01/19

「ナイジェリアのアマゾン」が開放するアフリカの小売り -eコマースがようやく離陸か-

キーワード:アフリカビジネス環境関連情報, アフリカビジネスパートナーズ, ナイジェリア連邦共和国

ナイジェリア発の2つの企業が注目を集めている。JUMIA(ジュミア)Konga(コンガ)という、ナイジェリアの若者が創業したeコマースサービスを提供する企業だ。

 

JUMIAのショッピングサイト

Kongaのショッピングサイト

 

アフリカにおいて、携帯電話やウェブは、もうすっかり日常になった。いまやスラムに住む若者でもスマホを使っている。携帯普及率は80%に及び、「Facebook」のアカウント保有率は50%といわれる。今の人気は、「LINE」に似たサービスである「WhatsApp」だ。

ケニアの「M-Pesa(エムペサ)」に代表される、携帯を使って送金や貯蓄を行うモバイルバンキングサービスは、アフリカ54カ国中37カ国で導入済みだ。電気料金や学校の授業料は携帯で納入する。安全で早く、賄賂を介在させずに小口決裁ができるM-Pesaの普及に伴い、携帯を使ったマイクロファイナンス、農業保険、教育ビジネスとサービスは広がりを見せる。都市部には携帯・ITサービスで起業を目指す若者がたくさんいる。

しかしそんなアフリカでも、なかなか事業として離陸しなかったのがeコマースだ。eコマースは、ネット事業というより古典的な小売業の性格が強い。在庫を抱え、物流センターを持ち、サプライチェーンを整備し、オペレーションを常に改善してコストダウンを図り、カスタマーサービスを教育し続けなければならない。

それには、細かなナレッジの積み上げと大きな資金が必要だ。さらにその前提となるのは、道路、物流システム、調達、決済システム、人材、資金調達といったビジネスインフラである。

そもそも、アフリカで携帯・ITサービスが爆発的に普及したのは、リテール事業の基盤となるインフラがなかったからにほかならない。送金ニーズがあるのに、地方にATMはなく、口座も持てない。道路インフラの悪さが、人、モノ、情報が行き来するのを妨げ、需給のアンマッチングや情報の非対称性を生む。ITは、インフラがなくともニーズを満たせるからこそ、課題を解決してきた。

よって、いくらIT産業が隆盛しても、物理的なインフラを必要とするeコマース事業はそのコストに見合う売り上げを上げるに至らず、生まれては消えてきた。運ぶ必要も倉庫も必要がないチケット類の販売でしか、機能してこなかった。

続きは日経ビジネスオンライン『歩けば見える、リアル・アフリカ』にて。

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