JICA

2014/03/31

JICAニュース:サヘル地域のテロ対策能力を強化-西アフリカ8ヵ国の刑事司法幹部が来日-(2014年3月31日)

キーワード:リスクへの対応と管理, コートジボワール共和国, コンゴ民主共和国, セネガル共和国, チャド共和国, ニジェール共和国, ブルキナファソ, マリ共和国, モーリタニア・イスラム共和国, JICA

JICAは、2月16日~3月11日、西アフリカ8ヵ国の裁判所、検察、警察の幹部25人を研修員として招き「仏語圏アフリカ刑事司法研修」を、国連アジア極東犯罪防止研修所(UNAFEI)の協力で実施した。8ヵ国は、サヘル地域のセネガル、チャド、ニジェール、ブルキナファソ、マリ、モーリタニアの6ヵ国と、紛争からの復興過程(ポストコンフリクト)にあるコートジボワールとコンゴ民主共和国の2ヵ国。研修員はテロなどの国境を越えた組織犯罪への地域としての対応や、内戦後の不処罰問題などへの対応について学んだ。

この研修は、2013年6月に横浜で開催された「第5回アフリカ開発会議(TICAD V)」で「平和と安定、民主主義、グッドガバナンスの定着」が達成すべき目標の一つに位置付けられたことから、日本政府がサヘル地域や大湖地域(注4)などの平和の定着支援を掲げるとともに、「テロ対処能力向上」のために司法分野などの行政官育成の支援を表明したことを受けて実施された。JICAとしては、刑事司法分野でフランス語圏アフリカを対象とした初の広域研修となる。

サヘル地域はサハラ砂漠の周縁部にあり、干ばつによる食料危機や不十分な社会サービスなど、「貧困」と「低開発」の問題に絶えず直面してきた。加えて近年は、イスラム武装組織が勢力を拡大し、テロなど国境を越えた組織犯罪の温床になっていることから、地域的な取り組みが急務となっている。一方、ポストコンフリクト国では、平和で安定した国を再建するため、刑事司法への信頼回復と国内融和の促進が課題となっている。

このようにサヘル地域、ポストコンフリクト国では、捜査から訴訟に至るまでの刑事司法プロセスの効率化・迅速化が求められている。

TICAD Vに先立つ2013年1月、アルジェリアのイナメナスで、日本企業も巻き込まれた人質拘束事件が発生し、世界を震撼させた。JICAは同年5月、サヘル地域各国から治安と民生の専門家を招いて「サヘル・サハラ地域専門家会合」を開催し、TICAD Vで表明されたサヘル地域に対する日本の支援策の検討に貢献した。

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